あれから6カ月が経った
僕は今、明日の早朝
オーストラリアに到着する
Yukiを迎えに行くため
Gold Coastの空港へ向けて車を走らせている
時刻は18時頃
仕事が終わってからすぐ支度を整え
走り出した
離れ離れだった一年間の思い出が
頭の中をかけめぐる
どんな顔をして会おう
会ったら一番最初に何をしよう?
隠れて驚かそうかな。。
後ろから抱きしめてあげようか。。
数え切れないぐらい
考えたし想像した
ワクワクしながら
何か落ち着かない自分の気持ちを
どうにか落ち着かせようとしながら
スピードメーターが制限速度を超えないように
慎重に運転していた
しかし。。この日はあいにくの豪雨
ワイパーをフル活動させても追いつかないほどの豪雨
暖房も全開でフロントが曇るのを防ぎながら走行。。。
片側1車線の山道。。
聞きなれない機械音が車内に響き渡った
ピピピッッピピッピピッピピーーー‼︎‼︎
豪雨に気を取られて気がつかなかった
エンジン内の温度を表示する針がH寸前まで上がっていた
車内はほんのりコゲ臭い匂いが充満している
車の知識がない僕は焦りながらも
道路脇に車を止めエンジンを切り
豪雨の中傘もささずにボンネットを開けた。。
豪雨にもかかわらず
煙が立ち上るエンジンルーム。。
ピチッピッチッッッッッっと
鉄が高温になると出る特殊な音が聞こえる
とてもじゃないけど触れない
車から煙が出るとか映画でしか見たことないのに
『なんだよ。。。
こんな大切な時に。。
今までたくさん長距離運転してきたし
トラブルなんてなかった
この日に限ってトラブルかぁ。。』
落ち込んでる暇もなく
僕はとっさに
一リットルの”飲み水”をエンジンに直接かけた。。
一瞬で煙に変わる一リットルの飲み水。。
ここで飲み水を全部使ってしまったことを
後で何回も後悔することになる。。とは知らず
ボンネットを開いたまま
びしょ濡れで車内に戻る
深呼吸を何回もした後、
自分の置かれてる状況を整理する
場所は僕の住んでる町とGold Coastの丁度中間あたり
そこは最悪なことに山道。。。街灯もない
大量の荷物を積んだ大型のトラックが5分に一回は
道路脇に止めた僕の車のそばを通る。。。
そのたびに、僕の車は大きく揺れる。。
そして外は豪雨。。街灯もなければ
家もガソリンスタンドもなにもない
あたりはどんどん暗くなり
車のヘッドライトを消すと
何も見えないほど。。
あぁ。。夢だったらいいのになぁw
唯一の救いは
携帯の電波がかろうじて立っていたこと
一番最初に連絡をとったのは
ワーホリで知り合った
ワーホリでも車屋さんに勤めていた
メカニックのKさん
現在日本にいるがLINEで連絡を取ってみることにした
電話が繋がり
今の状況を精一杯丁寧に伝えると
“overheatやなぁ”と
最新の注意を払い応急処置を教わる
とりあえず
エンジンを冷やす冷却水というものが
上手く稼働してないか
漏れいてるか完全にないかということだった
豪雨の中
その冷却水が入っていそうな
ギャップをシラミ潰しに写真に撮る
そしてまたKさんと電話をする
指示をしてもらい豪雨の中ボンネットの前にいく
それを何度か繰り返すと
冷却水を入れるタンクを見つけることができた
ここからが問題
そのタンクに冷却水がない場合
応急処置で水を入れるらい。。。。
そうさっき意味もなくエンジンにかけた飲み水が
ここに来て必要になった。。。
だが一滴も残ってるはずがない
あるのは空のペットボトル。。。。
応急処置の仕方がわかったのに
一番大切な水が手元にない。。。
絶望の中、搾り出した答えは
メカニックKさんも苦笑い。。の、
『おしっこ入れたらダメですか??w』
(僕は本気だった)
メカニックKさんは
『いや。。今までに入れた人しらないから
何も言えんなぁ。w。。。w。w』
前例がないということは。。
僕はパイオニアになれるってことか
この状況でこの瞬間だけ場が和んだ気がした
おしっこ以外の液体を確保するミッションが始まった
幸運にも外は豪雨、着ている服はびしょ濡れ
まず閃いたのは、服を絞ってペットボトルに水を貯める
これじゃ体力がもたない、、、と
嫌気がさして車の外に出た瞬間
足が水たまりにハマった。。。。。
まじかぉ。。水たまりに足を取られるとか。。
ついてなぁ。、、んん
んん??ん??。。。
水たまり??
ってことは。。。。??w
その時の写真がこれ☆
無事何リットルでも補給できそうな
天然ダムを見つけ
一人で雄叫びをあげながら
ペットボトルいっぱいに水をためる
あの時の感動は半端なかった
それから
冷却水のタンクのキャップと思われるものを外し
ありったけの水を流し込む。。。流し込む
あれよ。あれよとなくなるお水
なんかい水を汲んで、流し込む作業をしたかわからない
メカニックKさんから教わった
応急処置を全力でやり終えて
いざ車のエンジンをかけると
1分もしないでまた車内に聞きなれない機械音が
ピピピッッピピッピピッピピーーー‼︎‼︎
ダメやんw
もう時間は22時
豪雨は無情にも強くなり続けていた
たぶんこれは夢だぁ
最高のタイミングで
こんなアクシデントがあるはずがない
よしっ寝よう☆
車の中には非常食のドーナッツ一つ
さっきから動きまくって
喉が渇きまくってる、。。
飲み水残しとけばよかった。。
喉乾いたなぁ〜
喉乾いたなぁ〜
明日迎えに行けるかなぁ〜
zzZZZZ
続く。。
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